痛みは体の異常を知らせる警告サイン

疼痛のイメージ写真

一口に痛みと言っても、その程度は様々ですが、いずれの場合でも生活の質(QOL)を低下させてしまいます。
もっとも、本来の痛みは体に生じた異常を知らせる警告サインであり、大切な役割を担っています。
痛みを感じない方は、様々な病気の治療が遅れ、場合によっては命に関わりかねません。

痛みの除去・緩和が大切です

上述の通り、痛みを感じることには意味があるのですが、痛みの原因が明らかになった後にも疼痛が続いてしまうと、痛みは有益な存在から不必要な存在へ、さらには有害な存在へと変化していきます。

警告の役割を終えた痛みが長く存続すると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経の緊張が強くなり、随所で血液の循環が悪くなります。
その結果、新たな痛みを引き起こす化学物質がたくさん溜まるようになり、より強い痛みや新しい痛みが生じてきて、いわゆる痛みの悪循環が形成されるのです。

このような状態になった時はもちろんのこと、そうなりそうな場合は、身体的・精神的な苦痛を緩和することが大切になります。
慢性疼痛のある方は、お早めに当院を受診し、痛みを除去・緩和するための治療を受けるようお勧めします。

慢性疼痛の治療

慢性疼痛による痛みを和らげる対処療法としては、薬物療法、各種注射療法、リハビリテーションなどがあります。
リハビリは痛みを和らげるだけでなく、身体機能の回復、日常生活への復帰、スポーツ活動の存続、競技成績の向上などのために非常に重要です。

但し、痛みが長期にわたって続いている慢性疼痛の場合は、痛み止めなどの治療が有効でないこともあります。
通常のリハビリによって積極的なトレーニングを行ったりすると、逆に痛みが強くなることもあります。そのため、専門的な立場からの治療を行います。
ストレスにより痛みが慢性化している場合はまず、効果のある薬物を選択して用いながら、徒手療法を行い、次に自分で出来るトレーニングによりリラクゼーションを図ります。
ストレスの悪影響や痛みの悪循環が落ち着いて来たら、より積極的な治療を行い、運動機能の回復、日常生活への復帰などを目指します。

神経ブロック療法について

激しい痛みの多くは神経の強い炎症によって生じているので、一般の消炎鎮痛薬を服薬しても痛みが軽減されないケースがあります。
そのような慢性疼痛を和らげるには、神経ブロック療法が有効です。炎症を起こした神経の近くに抗炎症薬を直接注入するので、特に痛みを抑える効果が見込めます。
内服薬とは異なり、必要な部位だけに直接的に効果を及ぼすことから、全身的な作用が無く、意識にもほとんど影響しません。